大人の修学旅行②



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男たちの過ごし方

  一同が京都に集まり、団欒するのであるが、京都への移動方法は各々に委ねられた。
 私は昼の高速バスを使い、またある者は深夜の高速バスを使い、またある者は、新幹線で京都に入るなど、現地集合、現地解散という形式の自由な旅行であった。私が目を覚ました頃には、深夜バス組は到着し、喫茶店で時間を潰しているのであった。

 宿泊施設は、平屋を一棟ごと借りた。ロッカーに付けるような、ナンバーで施錠を外す鍵の付いた平屋であった。

 男五名が平屋に集まって何をするのか、気になった読者は多いと思う。それを余すことなく伝えるのは、私の文章作成能力では難しい。しかし、本稿を通じて、その例をいくつかお伝えできればと思う。

 ハガチンが、ニンテンドー64というゲームハードを持ち込んだ。仲間内で行われる娯楽と言えば、いつも「スマッシュブレザーズ」というゲームであった。

ハガチンは、
「スマッシュブラザーズを持ってきた」
 と言いながら、ソフトウェアを取り出した。

 出てきたのは、「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー 電流イライラ棒」であった。
 懐かしいことこの上ないが、この間違えは、非常に残念であった。

 なぜならこれは、一人で遊ぶためのソフトウェアだからである。

 仕方がないので、「電流イライラ棒」で遊ぶことにした。

 私たちは、仲間のミスを責めない。どんなミスがあっても、いつでも仲間同士で助けあうのが常であった。

 「電流イライラ棒」は起動しなかった。

 肝心のソフトウェアを忘れたハガチンは、申し訳なさそうにしていた。そして、こう呟くのであった。
 「僕らは、イライラすることも許されないのか」
 ともかく、私たちはこのような集まりであった。


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