大人の修学旅行④
京都観光
二日目は、伏見稲荷へ行き、その後、素敵な何かを求めて街を歩くという計画であった。「伏見稲荷」という具体的な固有名詞が存在するだけ、今までの旅行と違い、なんと計画的な旅行であろうか。
もっとも、伏見稲荷という神社へ行きたいと言うことで、伏見に宿を探したのだが、我々の滞在した伏見に、伏見稲荷があるわけではないという事実が判明したのは、京都に到着した後である。その点は、いつものように無計画である。
私とキッチョムは、一眼レフカメラを持ち歩き、伏見稲荷での写真撮影を楽しんだ。美しい写真の撮り方、撮るべき構図、そんな技術的な会話を道中にした。
赤く、堂々と立つ鳥居の前で、外国人観光客とおぼしき一団が、カツキが記念撮影を頼んでいた。カメラに縁のなさそうな彼に、撮影を頼むとは、何を考えていたのだろう。カツキは、何とか撮影をし、その場を去った。
この日の昼食は、キッチョム推薦の店のつけ麺である。昨日、京料理を十分堪能したので、私たちはいつもの食べ物を欲していたのである。もう、ジャンクフードが誰よりも食べたいのである。
昼食後は、下鴨神社、団子屋と徒歩で巡り、バスで南禅寺水路閣へ赴いた。非常に美しい形式が私たちの前に広がった。もっと美しい景色を見るには、お金を支払わなければならないという。私たちは、貧しい故に、一円も財布から取り出すことなく、柵の外から綺麗な日本庭園を観賞し、興奮し、味わった。