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BCHで巻き起こる分散型社会の限界と公共財 #暗号通貨界隈のキーワードを考える


本記事とも仮想通貨とも関係がない男性の写真

BCHのハッシュウォーとハードフォーク

BitcoinABC陣営(ABC派)とBitcoinSV陣営(SV派)にコミュニティが分裂していましたが、2018年11月16日ごろ、BCHのブロックチェーンが分裂しました。
それぞれの陣営には、リーダー的な存在がおり、多くの者が彼らの意見に耳を傾け、議論がなされました。

SV派のリーダーは、ビットコインの発明者である"Nakamoto Satoshi"本人を名乗っており、Satoshi's Visionの文字を略してSV派と名乗っています。
彼らは、"Nakamoto Satoshi"本人に率いられた、"Nakamoto Satoshi"の思想を継ぐ者たちと思われます。
(ABC派からは、かのリーダーは、Fake Satoshiと呼ばれています。)



SV派は、ABC派をブロックチェーンの仕様を利用して、消滅させることを目指し、ハッシュウォーを宣言していましたが、そのようなことは発生せず、現在のところは二つの通貨として分裂しています。

SV派のリーダーは、この戦争の終結を宣言しておらず、むしろABC派のハッシュウォーのための資金がいつまで続くかなというツイート(出典探し中)を残しており、まだまだ混沌が続きそうです。

このような混沌が生じ、BCHの価値が毀損されたという話題や、非中央集権や、分散型社会の限界について語る人が現れました。
それもそうです、第三者から見ると、結局有名な個人によって引き起こされた戦争と眼に映るからです。



BCHの上記の論争については、記事の修正の必要性などがあれば、こちらからお願いします。

ブロックチェーンという公共財

しかし、上記の問題は、本質的な議論ではないように思われます。
意見の相違から起こる分裂が許され、分裂の自由があるのは、分散型だからこそだと思うのです。

むしろ、中央集権では、意思決定ができなくなる事態に陥っても、分散型は意思を異にする者を排除できるという考え方もできるかと思います。
そのような分裂をすることで、弱体化するのは事実でしょうが、それは限界を論ずる前に分散型の前提として理解された欠点かと思います。

なお、中央集権か、非中央集権かの議論は、という通常は0か1かの状態で表せるものではなく、どこかに基準を置き、比較として初めて、どちらが中央集権的に傾いているか、非中央集権的に傾いているかという議論が可能になります。
詳しくは、こちらの記事(非中央集権とはなんだろう)を参照。

(パブリック)ブロックチェーン技術を利用した暗号通貨は、従来の企業の発行するプリペイドのポイントと比較すると、ルールを定め、決定する権限を持った者が確定的ではなないため、分散型で非中央集権的です。
中央集権的な物には欠点があるように、非中央集権的(分散型)な物にも欠点があります。

分散型社会の限界

私が感じる分散型社会の限界は、それは、悪意のある者による、ブロックチェーンなど、全ての者が利用する公共財の濫用です。

モナコインはもちろん、ブロックチェーンには、様々な情報をそのブロックチェーン上に刻むことができますが、そのブロックチェーンには、国家法規上、違法なデータも刻むことができてしまいます。
そのデータは、フルノード全てに記録され、フルノードを消滅させなければ、決して消すことはできません。
詳しくは、ニュース記事(児童ポルノがBTCのブロックチェーン上に、犯罪に巻き込まれる恐れも)2018年3月21日を参照。

肖像権の侵害した画像データや、著作権を侵害するテキストデータも、ブロックチェーンに刻まれれば、消すことができません。
消すことができないのは、削除する権限を持つ者がいないからです。
このように、公共財は悪意を持った個人がその権利を濫用することで、全体に対して不利益を与えることになります。

Monapartyのトークン名においても、同様の問題が言えます。
Monapartyについては、こちらの記事(モナパーティーと言うモナコインちゃんスマートコントラクト装備)を参照。

下記にツイートでわかるように、"ZAIF"という名前のトークンは、テックビューロ社ではない第三者に取得されており、本来であれば、使用することが正当だと思われるZAIF取引所はその名前のトークンを使用することができません。

Monapartyの使用に関するルールはただ一つ、早い者順だからです、


通常であれば、悪意のある者が、他人が使用している商標を、その本人が出願する前に商標法に基づき申請するというのは、パテント・トロールと言われ、違法ではありませんが、本来の法の趣旨に反する脱法行為です。

しかし、ブロックチェーンの世界にはそのような規制概念がないからか、そのようなパテント・トロール的な行為を、皆もやっているし、皆が取られる前に保護するために自分が取るというような、利用する予定はないのに様々な名称のトークンの取得を申請しました。
使っている人もいると思いますが、例えば、
  • 人名
  • 野菜の名前
  • 企業名
などです。
これらは、ルールを決め(立法機関)、そのルールを適用し、執行(執行機関)する中央集権的機関が存在しないために起こる問題だと思います。

もちろん、開発者が立法し、マイニングによる投票でルールを制定することまでは可能ですが、善悪の判断を必要とするような一般抽象的なルールは作成できず、プログラム上で自動的に執行ができる個別具体的なルールか、事後対応的な司法的対応しかできません。

これは、分散型のパブリックブロックチェーンの限界として、考えなければならない問題になるのかと思います。
(もしかしたら、すでにこのような問題の解決を目指す議論や、そのような点に対応した暗号通貨があるかもしれません。)

言うまでもありませんが、中央集権的な組織へ傾きすぎると、独裁者によるルールの制定、恣意的なルールの執行、そして権力と癒着した救済機関(司法機関)による裁判などの問題があります。

モナコインの開発者のコメント

このツイートは、上記の話題に対するコメントではありませんが、最近よく喋る、モナコインの開発者の わたなべ氏は、このようにツイートしています。
また、このツイートを見て、モナコインは中央集権的思想のコインであるとか、直ちに悲観する人がいそうではありますが、公共財の利用について、最大多数の最大幸福を目指すためには、我ら人類で考えていかなければ、結局は、国家による統制という回答に戻ってしまいそうです。
(歴史に裏付けられているだけあって、そもそも民主主義国家の統治体制は永続性のある仕組みだと思います。)

Twitter上での投票:真のビットコインは?



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