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太平洋に携帯電話を投げ捨てに行く話

モナ弁さんとの思い出シリーズ。
京都旅行編よりもさらに過去に遡り、まだ大学生です。
複数回に分けて投稿された記事を加筆修正したまとめです。



登場人物

にすた氏:暇な大学生。私の過去の姿。
モナ弁さん:暇な大学生。弁とあるけど弁護士資格はまだない。「時間?そんなの関係ないね」
イグー:暇な大学生。自転車で長野から沖縄まで走破した男。「携帯電話を海に投げ捨てる、話はそれからだ」

携帯電話を海に捨てる。
例えば、房総半島の先っぽとかで・・・。

東京から1時間48分。
運賃:片道1,280円。
なんてことは無い、千葉県の先っぽはまだまだ首都圏だ。

今回のプロジェクトは、
  1.  海を見る
  2.  イグーの携帯電話を海に投げ捨てる
である。
何故、海に携帯電話を投げ捨てなければならないかは、後述する。

妥協はしない。
バカなことは大学生でしかできない。
そう、そう考えていた。

趣旨を説明し、いつもつるんでいる10人に声をかけた。
みな暇な癖に、木更津方面行きを伝えると7人が断りメールを返して来たではないか。
「皆様のプロジェクトが成功することをお祈り申し上げます。」

海がない長野生まれのイグーの夢を叶えてあげたい。
この旅を無駄なものにしないために、記録を、ここに記す。

さて、伝統的におやつは1人300円までだ。

今回用意したのはこれだ。

  モナ弁さんのおやつ。

にすた氏のおやつ。
私はチョコレートだけ。
一個300円という構成。

イグーはおやつを忘れた。

総武本線に乗った我々は、あっという間に木更津に到着する。

内房線を知る友人に、電話で海は近いかを聞くと、彼はこう答える。

「木更津駅から海まで結構あるよ」

木更津駅から東京湾まで少し遠いらしい。
それではもっと駅から海に近いところから行くべきではないのか。
そう考えた、我々は更に南下することを決定した。

海が近い駅を聞いたところ、JR職員は君津駅の方に行けばいいとか。

総武線領域を離れ、内房線領域に突入した。
君津駅からはSuicaが通用しない未知の領域である。(当時)

内房線に乗ることはとても新鮮だが、恐ろしい路線であった。

まず、1時間に1本くらいしか電車が来ない。
5分に1本くらい来ないと少し不安になる。

深刻なのが電車の発車前の予告メロディがない。

駅に降りて、写真を撮っていたら、何の音も前触れも無くドアが閉まり始めた。

幸い、挟まれる直前にドアが一瞬止まったので、乗れた。

電車に揺られて4時間、千葉県の先っぽっぽい館山についた。
千葉県は想像以上に大きいのでは、と不安が広がる。

さらに電車に乗ることで、偉大なるチーバくん様のお尻あたりのある安房鴨川駅についた。
チーバくん:千葉県の形になっている。

自動改札がないのだ、この駅には。
入退場の仕組みも謎だ。

これが安房鴨川駅周辺。(当時)
ジャスコがイオンになる前の時代だ。

安房鴨川駅から海までは近く、駅から数百メートル先が海であった。
電車の中でひたすら座っていた我々は、テンションが最高潮に達した。
左:イグー 中央:モナ弁さん 右:にすた氏
記念撮影。

海を見るという目標を達成。

そして、周囲の散策で地元の小学生と仲良くなった。

その子供達から純粋で、綺麗な心を見た。
東京で、薄汚れた空気の中で、どこか薄汚れてしまった我々の心は、少し洗われるようであった。

そうか、彼らの生きる世界は、この海周辺だけなのだ・・・。
なんと自分達はちっぽけで、バカなことで悩んでいるよ、と思う3人であった。

イグーが子供達に、じゃがりこを与えていた。
モナ弁さんは、東京湾には死体があるとか、東京にはコンビニしかないとか。
東京で働いているサラリーマンは全員コンビニで働いているとか。
微妙な嘘ばかり吹き込んでいた。

まるで、文明人が未開の地に行って何かを施すかのような行動。
そんな子供達も、今では成人して、東京から来た我々の嘘に気が付いていることだろう。

さて、携帯電話を何故海に捨てに行ったのか。
それは、イグーが携帯電話に縛られる生活はもう嫌だ、携帯電話を海に捨てると言い出したからであった。

しかし、海と地元の子供達を見るとそんな悩みは小さなものに感じ、環境破壊はよくないよね、犯罪かもしれないね、都市鉱山として希少なゴールドを海に廃棄するのはよくないよね、携帯電話を売ったらお金になるかもしれないと考えを改め、家に帰ることにしたのだった。

帰りは、外房線で太平洋に沿って帰った。
千葉県は広かった。
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